避妊薬で血栓症が起きる危険性と日本産科婦人科学会

現在、低用量ピルは生理不順や子宮内膜症の治療、また避妊薬として婦人科で処方されることが一般的になっています。避妊薬としては、正しく服用していれば避妊確率はほぼ100%であり、低用量ピルを服用することは最も確実な避妊方法だといえます。
低用量ピルは、エストロゲンという卵胞ホルモンとプロゲステロンという黄体ホルモンが低用量で含まれている女性ホルモン薬です。以前より使われていた中用量ピルと比べて、悪心や嘔吐、体重増加、ニキビなどの副作用の出る確率が低くなり、ほとんど副作用の起きない使い勝手のよいホルモン剤として、1999年より日本で低用量ピルが承認、発売されて以降、婦人科領域でよく使われるようになりました。
しかし、低用量ピルを服用した患者で血栓症発症者が増加し、なかには死亡例も報告されたことで、2013年に日本産科婦人科学会が、注意喚起声明を発表しました。もともと低用量ピルは血栓症のリスクが高くなるおそれがあることが知られており、35歳以上の喫煙者や、脳血管障害、冠動脈疾患などの既往歴のあるひとは禁忌となっています。しかしそれ以外の患者にも、処方前と、処方後の数ヶ月間において血圧や体重測定を実施したり、処方前後に血液凝固系検査を行ってもよいという指針を新たに出しました。また、血栓症発症時には循環器科や血管外科、脳神経科の専門医などとの連携を処方医に求めています。
血栓症を疑われる症状とは、具体的には胸痛や息切れ、動悸、また足のふくらはぎのむくみやチクチクした痛み、血圧上昇による頭痛などが挙げられます。こういった症状が起きた場合には、すみやかに低用量ピルの服用を中止して受診することが大事です。

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